セラミックは医療費控除の対象?|審美目的との違いと申告の流れを新浦安の歯科医師が解説

セラミックは医療費控除の対象?

「セラミックの詰め物や被せ物は費用が大きくなりやすいけれど、医療費控除は使えるの?」「見た目のための治療は対象外と聞いたけれど本当?」——セラミック治療を考えるとき、こうした疑問を持つ方は少なくありません。

結論からお伝えすると、セラミックの治療費は、歯科医師による診療・治療の対価であれば医療費控除の対象になり得ます。国税庁は、金やポーセレン(陶材)を歯の治療材料として一般的に使用されているものと位置づけ、これらを使った治療の対価は対象になるとしています。

一方で、医療費控除は「セラミックだから対象」「審美目的だから対象外」と、素材や言葉だけで決まるものではありません。ポイントは、その費用が治療の対価に当たるかどうか、そして一般的に支出される水準を著しく超えないかどうかです。個別のケースで判断に迷うときは、最終的には所轄の税務署に確認することになります。

この記事では、新浦安の当院の歯科医師が、国税庁の記載に沿って、セラミック治療が医療費控除の対象になる・ならないの考え方、控除額の計算方法、デンタルローンや年をまたぐ治療の扱い、申告のやり方と必要書類を整理します。あわせて、治療を始める前にできる準備(治療目的の確認・領収書の保管・支払い時期)もチェックリストでご紹介します。

目次

この記事の要点

  • セラミックの詰め物・被せ物の費用は、歯科医師による治療の対価であれば医療費控除の対象になり得ます(国税庁は金・ポーセレンを一般的な治療材料としています)。
  • 控除額は「支払った医療費の合計−保険金などの補てん額−10万円(総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%)」で計算し、上限は200万円です。
  • 国税庁の記載で「容ぼうを美化するため」の費用が対象外とされているのは歯列矯正の項目で、セラミックは「治療の対価かどうか」が判断のポイントです。
  • デンタルローンは信販会社が立替払いをした年、年をまたぐ治療はそれぞれの年に支払った額が、各年分の医療費控除の対象になります。
  • 会社員の方でも医療費控除を受けるには確定申告が必要で、還付申告は翌年1月1日から5年間提出できます。

セラミック治療は医療費控除の対象?国税庁が示す基本の考え方

セラミックの詰め物・被せ物の費用は、歯科医師による診療・治療の対価に当たり、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分であれば、医療費控除の対象になります。まずは、医療費控除の基本と、国税庁がどのような基準を示しているかを確認しましょう。

医療費控除とは

医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの間に、ご自身や、生計を一にする配偶者・その他の親族のために医療費を支払い、その合計が一定額を超えるときに受けられる所得控除のことです(国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」)。

所得控除とは、税額を計算するもとになる所得から差し引かれるもののことです。医療費控除を受けると、所得税の計算の基礎となる金額が小さくなります。

対象になるのは「歯科医師による診療・治療の対価」

国税庁は、医療費控除の対象となる医療費として、医師または歯科医師による診療や治療の対価を挙げています(国税庁「医療費控除の対象となる医療費」)。

ただし、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額に限られ、健康診断の費用や謝礼金などは原則として含まれません。

自由診療や高価な材料を使う場合は?

保険適用外の自由診療であることだけを理由に、対象外になるわけではありません。国税庁の「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」では、自由診療や高価な材料を使って高額になる場合について、一般的に支出される水準を著しく超える特殊なものは対象にならないとしています。

そのうえで、金やポーセレン(陶材)は現在、歯の治療材料として一般的に使用されているといえるため、これらを使った治療の対価は医療費控除の対象になると記載されています(国税庁「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」)。

なお、国税庁の記載で一般的な治療材料として名前が挙がっているのは、金とポーセレンです。ジルコニアなどほかのセラミック素材を使う場合を含め、個別の扱いに迷うときは、申告の前に税務署で確認しておくと迷わずに済みます。

セラミック治療とは

セラミック治療とは、虫歯などで失われた歯の部分を、陶材(ポーセレン)などのセラミック素材で作った詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)で補う治療のことです。セラミックの詰め物・被せ物は保険適用外の自由診療として行うため、費用は素材や本数などによって異なります。

当院で行っているセラミック治療の内容や素材については、当院のセラミック治療についてのページでご案内しています。

国税庁のページ 記載の要旨 セラミック治療での考え方
医療費を支払ったとき(医療費控除) その年に支払った医療費が一定額を超えると、所得控除を受けられる 1年間(1月〜12月)に支払った治療費を、ほかの医療費と合わせて計算する
医療費控除の対象となる医療費 歯科医師による診療・治療の対価で、一般的な水準を著しく超えない部分 虫歯や破折などの治療として行う詰め物・被せ物の費用がこれに当たるかがポイント
歯の治療費の具体例(治療材料) 金・ポーセレンは一般的な治療材料で、その治療の対価は対象 陶材を使ったセラミック治療の対価も対象になり得る
歯の治療費の具体例(歯列矯正) 容ぼうを美化するための歯列矯正の費用は対象外 この記載は歯列矯正についてのもの。セラミックは「治療の対価かどうか」で考える

セラミックの医療費控除はいくら戻る?計算方法と「10万円」の考え方

医療費控除でいくら戻るかは、控除額そのものではなく、その方の所得や税率によって異なります。まずは、戻る額のもとになる「控除額」の計算方法を確認しましょう。

控除額は、1年間に実際に支払った医療費の合計から、保険金などで補てんされる金額と10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%)を差し引いて計算し、上限は200万円です(国税庁「医療費を支払ったとき」)。

控除額の計算の手順

国税庁が示す計算式を、手順に分けると次のようになります。

  1. その年(1月1日〜12月31日)に実際に支払った医療費を合計する(生計を一にするご家族のために支払った分も含められます)
  2. 保険金や給付金(高額療養費など)で補てんされる金額を差し引く
  3. さらに10万円を差し引く(その年の総所得金額等が200万円未満の方は、総所得金額等の5%)
  4. 残った金額が医療費控除の控除額です(上限200万円)

「10万円を超えないと使えない」は正確?

「医療費が10万円を超えないと医療費控除は使えない」と説明されることがありますが、正確には、差し引く額は「10万円」または「総所得金額等の5%」です。その年の総所得金額等が200万円未満の方は、10万円ではなく総所得金額等の5%を超えた部分が控除の対象になります。

いくら戻るかは所得や税率によって異なる

医療費控除は、税額から直接差し引かれるものではなく、所得から差し引かれる所得控除です。そのため、控除額と同じ金額が戻ってくるわけではなく、実際に還付される額は、その方の所得や税率によって異なります。

ご自身の場合にどのくらいになるかを知りたいときは、国税庁の案内に沿って申告書を作成する際に確認するか、税務署にご相談ください。

ご家族の医療費もまとめて計算できる

医療費控除は、ご自身の分だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費も合わせて計算できます(国税庁「医療費を支払ったとき」)。

ご本人のセラミック治療だけでは一定額に届かない場合でも、同じ年にご家族のために支払った歯科や医科の医療費を合計すると、対象になることがあります。

セラミック治療の費用がどのように決まるのか、治療後の保証の考え方については、セラミック治療の費用と保証について解説した記事で詳しくご紹介しています。

審美目的のセラミックは医療費控除の対象外?「治療の必要性」が判断のポイント

「審美目的のセラミックは医療費控除の対象外」と一括りに説明されることがありますが、国税庁の記載をたどると、判断のポイントは「その費用が歯科医師による治療の対価に当たるかどうか」です。

虫歯・破折(歯が割れたり欠けたりすること)・欠損(歯を失うこと)の修復など、治療の必要性がある場合は、セラミックを選んでも対象になり得ます。

「容ぼうの美化」の記載はどこにある?

国税庁の「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」で、「容ぼうを美化するため」の費用が対象外と書かれているのは、歯列矯正の項目です。

同じページでは、発育段階にある子どもの成長を阻害しないための不正咬合の歯列矯正など、年齢や目的から必要と認められる歯列矯正の費用は対象とされています(国税庁「歯の治療費の具体例」)。

この記載からは、同じ処置でも「目的」によって扱いが分かれるという考え方が読み取れます。ただし、「容ぼうの美化」の記載はあくまで歯列矯正についてのものであり、セラミック治療にそのまま当てはめて、対象・対象外を断定することはできません。

セラミックについては、国税庁の「医療費控除の対象となる医療費」「歯の治療費の具体例」に示された「歯科医師による診療・治療の対価か」「一般的に支出される水準を著しく超えないか」という基準で考えるのが基本です。

治療の必要性があると考えられる例・判断に迷いやすい例

次の表は、国税庁の考え方に沿って、セラミック治療でよくあるケースを整理した目安です。最終的な判断は税務署が行うため、あくまで考え方の整理としてご覧ください。

ケース 治療としての性格 考え方の目安
虫歯を削った後の詰め物・被せ物をセラミックで作る 虫歯の治療の一部 治療の対価として対象になり得る
欠けた・割れた歯をセラミックの被せ物で修復する 破折の修復 治療の対価として対象になり得る
古い詰め物・被せ物の下に虫歯が再発し、やり直す際にセラミックを選ぶ 虫歯の再治療 治療の対価として対象になり得る
失った歯を補う被せ物(ブリッジなど)をセラミックで作る 欠損の修復 治療の対価として対象になり得る
問題のない銀歯や健康な歯を、見た目だけの理由でセラミックにする 治療の必要性を説明しにくい場合がある 治療の対価に当たるか判断が分かれ得るため、税務署に確認する

差し歯(前歯)のセラミックは対象になる?

前歯の差し歯をセラミックで作る場合も、考え方は同じです。虫歯が大きく進んで歯の根の治療を行い、土台を立てて被せ物をする場合や、折れた前歯を修復する場合などは、治療の一環として行う被せ物と考えられます。

前歯は見た目にも関わるため「審美目的」と混同されやすいのですが、前歯か奥歯かではなく、治療の必要性があるかどうかで考えます。見た目の改善だけが目的の場合は、判断が分かれ得るため、税務署への確認をおすすめします。

銀歯からセラミックへの交換は?

銀歯をセラミックに交換する場合は、交換する理由によって考え方が分かれます。銀歯の下で虫歯が再発している、銀歯が外れた・欠けた、歯との間にすき間ができているなど、再治療が必要な状態であれば、治療の対価として考えやすいケースです。

一方、銀歯に問題がなく、見た目だけを理由に交換する場合は、治療の対価に当たるかどうか判断が分かれ得ます。申告の前に税務署へ確認しておくと、後から迷わずに済みます。

ホワイトニングの場合は?

歯の色を明るくする方法には、セラミックのほかにホワイトニングもあります。ホワイトニングが医療費控除の対象になるかどうかも、治療の対価に当たるかどうかで判断されますので、個別のケースは税務署にご確認ください。

ホワイトニングとセラミックの違いや選び方については、歯を白くする方法(ホワイトニングとセラミック)の選び分けを解説した記事をご覧ください。

判断に迷うときは税務署に確認を

医療費控除の対象になるかどうかを最終的に判断するのは、歯科医院ではなく税務署です。判断に迷うときは、治療を受けた歯の状態や治療の内容(虫歯の治療、欠けた歯の修復など)を整理したうえで、所轄の税務署に問い合わせると、個別の状況に即した案内を受けられます。

歯科医院では、診察のうえで、お口の状態や治療の内容をご説明できます。ご自身の治療がどのような状態に対するものだったのかわからない場合は、遠慮なく歯科医師に確認しましょう。

こんなときは歯科医院に相談を

次のような状態は、見た目の問題だけでなく、治療が必要なサインのことがあります。医療費控除のことを考える前に、まずお口の状態を確認することが大切です。

症状・状況 相談のタイミングの目安
詰め物・被せ物が取れた、欠けた できるだけ早めに(そのままにすると、歯が欠けたり虫歯が進んだりすることがあります)
銀歯の周りが黒っぽく見える、冷たいものがしみる 気づいた時点で(詰め物の下で虫歯が再発していることがあります)
歯が欠けた・割れた、噛むと痛む できるだけ早めに
前歯の差し歯の根元が黒っぽい、歯ぐきが腫れている 症状が続くときは早めに
セラミック治療を考えていて、治療の必要性や通院回数の見通しを知りたい 治療計画を立てたい段階で

当てはまる状態がある方は、一度お口の状態を確認したうえで、治療の方法や時期を一緒に考えていきましょう。

医療費控除に含められる費用・含められない費用は?通院費・薬代・ローン手数料

医療費控除には、歯科医院に支払ったセラミックの治療費だけでなく、治療のための通院費や、治療に必要な医薬品の購入費なども含められます。一方で、自家用車のガソリン代や駐車場代、ローンの金利・手数料などは対象外です(国税庁「医療費控除の対象となる医療費」「歯の治療費の具体例」)。

費用の種類 扱い 国税庁の記載の要点
歯科医師によるセラミックの詰め物・被せ物の治療費 対象になり得る 診療・治療の対価で、一般的な水準を著しく超えない部分
治療に必要な医薬品の購入費 対象 ビタミン剤など予防・健康増進が目的のものは対象外
治療のための通院費(電車・バスなど) 対象 通院した日と金額を記録しておく
小さなお子さんの通院に付き添う方の交通費 対象 付添いが必要なとき
タクシー代 原則対象外 公共交通機関が利用できない場合を除く
自家用車のガソリン代・駐車場代 対象外 ―
デンタルローンの金利・手数料 対象外 信販会社が立替払いした金額は対象
健康診断の費用・謝礼金 原則対象外 ―

通院費は日付と金額を記録しておく

セラミック治療は、型取りから装着まで複数回の通院が必要になることが一般的です。国税庁は、治療のための通院費も医療費控除の対象になるとしたうえで、通院した日と金額を記録しておくよう案内しています。

電車やバスの運賃は領収書を受け取らないことが多いため、手帳やスマートフォンのメモに、通院日・区間・金額を残しておくと、申告の際に集計しやすくなります。

保険金などで補てんされる金額は差し引く

加入している保険から給付金を受け取った場合や、健康保険の高額療養費の支給を受けた場合など、保険金などで補てんされる金額は、支払った医療費から差し引いて計算します。セラミック治療そのものは自由診療ですが、同じ年に入院や手術などで給付を受けた方は、補てん額の扱いも確認しておきましょう。

デンタルローン・分割払い・年をまたぐ治療はどの年の医療費控除になる?

医療費控除は「その年に実際に支払った医療費」が対象です。デンタルローン(歯科ローン)を利用した場合は信販会社が立替払いをした年、治療が年をまたぐ場合はそれぞれの年に支払った額が、各年分の対象になります(国税庁「歯の治療費の具体例」)。

デンタルローンを利用した場合

デンタルローンとは、歯科治療の費用を信販会社が歯科医院に立替払いし、患者さんが信販会社に分割で返済していく仕組みのことです。国税庁は、信販会社が立替払いした金額は、立替払いをした年(ローン契約が成立した年)の医療費控除の対象になるとしています。

返済が翌年以降も続く場合でも、返済した年ごとに分けて申告するわけではない点に気をつけましょう。また、ローンの金利や手数料は医療費控除の対象になりません。歯科医院の領収書がない場合は、ローン契約書や信販会社の領収書を保存しておきます。

分割払いや未払いがある場合

信販会社を通さずに治療費を分けて支払う場合や、年末の時点でまだ支払っていない治療費がある場合は、実際に支払った年の医療費として扱われます(国税庁「医療費を支払ったとき」)。治療を受けた年ではなく、支払った年が基準になると覚えておくとわかりやすいでしょう。

治療が年をまたぐ場合

セラミック治療は、虫歯や根の治療を先に行ってから詰め物・被せ物を作ることもあるため、秋から冬にかけて始めた治療が翌年にかかることがあります。治療中に年が変わるときは、その年に支払った額がその年分、翌年に支払った額が翌年分の医療費控除の対象になります。

治療全体の費用をまとめて1つの年に申告するわけではありません。治療の一般的な進み方や通院の流れは、セラミック治療の流れ(7ステップ)を解説した記事で紹介しています。

支払い方法 医療費控除の対象になる年 保管しておきたい書類
歯科医院に一括で支払う 支払った年 歯科医院の領収書
治療の段階ごとに支払い、年をまたぐ それぞれの年に支払った額が各年分 年ごとに分けた歯科医院の領収書
デンタルローン(信販会社の立替払い) 立替払いをした年(ローン契約の成立時) 歯科医院の領収書がない場合は、ローン契約書や信販会社の領収書

※ローンの金利・手数料は、いずれの場合も対象外です。

医療費控除のやり方と必要書類は?会社員の申告・マイナポータル・申告期限

医療費控除を受けるには、医療費の領収書をもとに「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告書に添付して所轄の税務署に提出します。会社員の方でも、医療費控除を受けるには確定申告が必要です(国税庁「医療費を支払ったとき」)。

申告までの手順

  1. 1年分(1月1日〜12月31日)の医療費の領収書を集める(ご家族の分、通院費の記録も含む)
  2. 領収書をもとに「医療費控除の明細書」を作成する(医療保険者から届く「医療費通知」を添付すると、明細書の記載を簡略化できます)
  3. 保険金などで補てんされる金額を確認し、控除額を計算する
  4. 確定申告書に医療費控除の明細書を添付して、所轄の税務署に提出する
  5. 領収書は申告後も自宅で5年間保管する

国税庁は、確定申告期限等から5年を経過する日までの間、税務署から領収書の提示や提出を求められる場合があるとしています。申告に使った領収書は、捨てずに保管しておきましょう。

マイナポータル連携を使う場合

国税庁の案内では、マイナポータル連携を利用すると、医療費通知情報を取得して、確定申告書の作成時に自動入力できるとされています。

事前にマイナポータルで代理人の設定をしておけば、申告に含められるご家族の医療費通知情報も取得できます(ご家族のマイナンバーカードが必要です)(国税庁「医療費控除を受ける方へ」)。

ただし、医療費通知は健康保険の医療保険者が発行するものです。保険適用外の自由診療で支払ったセラミックの治療費は、一般に医療費通知には含まれないため、歯科医院の領収書をもとにご自身で入力・記入することになります。

領収書が多い場合は、国税庁が用意している「医療費集計フォーム」(表計算ソフト用)を使うと、集計がしやすくなります。

会社員の方も確定申告が必要

会社員の方でも、医療費控除を受けるには確定申告が必要です。勤務先で行う年末調整とは別に、ご自身で医療費控除の明細書を添付した確定申告書を作成し、所轄の税務署に提出します。

申告はいつまで?何年前の分までできる?

税金の還付を受けるための申告(還付申告)は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できるとされています(国税庁「還付申告」)。

治療費を支払った年の申告をし忘れていた場合でも、この期間内であれば後から申告できます。

もともと確定申告が必要な方の期限や、ご自身の申告が還付申告に当たるかどうかは、国税庁の案内や税務署でご確認ください。

セルフメディケーション税制とはどちらか一方を選ぶ

セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等の購入費のうち1万2,000円を超える部分が対象で、8万8,000円が限度)は、通常の医療費控除と同時には使えず、どちらか一方を選ぶ仕組みです(国税庁「医療費を支払ったとき」)。

国税庁は、申告した後に更正の請求や修正申告で選択を変更することはできないとしています。セラミック治療などで歯科の支払いが多かった年は、どちらを選ぶかを申告前に確認しておきましょう。

セラミック治療を始める前にできる医療費控除の準備チェックリスト

医療費控除をスムーズに申告するためには、治療が終わってから書類を探すより、治療を始める前から準備しておくことが役立ちます。ポイントは「治療目的の確認」「領収書の保管」「支払い時期の把握」「ローン書類の保存」の4つです。

治療前・治療中のチェックリスト

チェック項目 確認・準備しておきたいこと 理由
治療の目的を確認したか 虫歯・破折・欠損の修復など、どのような状態に対する治療かを歯科医師に確認し、メモしておく 治療の対価に当たるかを考える手がかりになり、税務署に相談するときにも説明しやすい
領収書を保管しているか 歯科医院の領収書を、ご家族の分も含めて1年分まとめて保管する 明細書の作成に使い、申告後も5年間保管する
支払いの時期を把握しているか どの支払いがどの年になるか、年末をまたぐかどうかを確認する 医療費控除は支払った年ごとに計算するため
ローンの書類を保存しているか デンタルローンを利用する場合は、ローン契約書や信販会社の領収書を保存する 歯科医院の領収書がない場合に必要になるため
通院の記録をつけているか 通院日・交通手段・区間・金額を記録する 治療のための通院費も対象になるため
同じ年のほかの医療費を把握しているか ご家族の医療費や、保険金などの補てん額を確認する 合計額と差し引く額によって控除額が変わるため

治療の目的は治療計画の段階で確認する

医療費控除の対象かどうかを考えるうえで大切なのは、その治療が「どのような状態に対する治療か」です。虫歯の治療後の詰め物なのか、欠けた歯の修復なのか、古い詰め物の再治療なのかを、治療計画の説明を受ける段階で確認しておきましょう。

年末が近い時期に治療を始めるときの考え方

秋から年末にかけてセラミック治療を始めると、支払いが年内と翌年に分かれることがあります。医療費控除は1年ごとに計算するため、どの年にいくら支払うかによって、その年の合計が一定額を超えるかどうかが変わる場合があります。

ただし、医療費控除のために治療を先延ばしにすることはおすすめできません。虫歯や破折は時間とともに進むことがあり、治療の範囲が広がる場合もあります。お口の状態を優先したうえで、支払い時期の見通しは治療計画の説明を受ける際に確認しておくとよいでしょう。

領収書は受け取ったらすぐにまとめる

セラミック治療は通院が複数回になることが多く、そのたびに領収書を受け取る場合もあります。受け取ったらすぐに1か所にまとめ、ご家族ごと・年ごとに分けておくと、明細書を作るときに集計しやすくなります。

よくある質問(FAQ)

セラミックの治療費は医療費控除の対象になりますか?

歯科医師による診療・治療の対価で、一般的に支出される水準を著しく超えない部分であれば、対象になり得ます。国税庁は、金やポーセレン(陶材)は歯の治療材料として一般的に使用されているといえるため、これらを使った治療の対価は対象になるとしています。個別の判断に迷う場合は、所轄の税務署にご確認ください。

見た目をきれいにしたい目的のセラミックも対象ですか?

ポイントは、治療の対価に当たるかどうかです。国税庁の記載で「容ぼうを美化するため」の費用が対象外とされているのは歯列矯正の項目で、セラミックにそのまま当てはめて断定はできません。虫歯や欠けた歯の修復など治療の必要性がある場合は対象になり得ますが、見た目だけを変える場合は判断が分かれ得るため、税務署への確認をおすすめします。

差し歯(前歯)のセラミックは対象ですか?

前歯か奥歯かではなく、治療の必要性があるかどうかで考えます。虫歯や根の治療の後に被せ物をする場合や、折れた歯を修復する場合などは、治療の一環として行う被せ物と考えられます。見た目の改善だけが目的の場合は判断が分かれ得るため、税務署にご確認ください。

デンタルローンや分割払いの場合はどうなりますか?

信販会社が立替払いをするデンタルローンは、立替払いをした年(ローン契約の成立時)の医療費控除の対象になり、金利や手数料は対象外です。歯科医院の領収書がない場合は、ローン契約書や信販会社の領収書を保存しておきましょう。信販会社を通さない分割払いは、実際に支払った年ごとの対象になります。

治療が年をまたぐ場合はどの年に申告しますか?

治療中に年が変わるときは、それぞれの年に支払った額が、各年分の医療費控除の対象になります。治療を受けた年ではなく、支払った年が基準です。年ごとに領収書を分けて保管しておくと、申告の際に集計しやすくなります。

会社員ですが年末調整で申告できますか?

会社員の方でも、医療費控除を受けるには確定申告が必要です。勤務先の年末調整とは別に、医療費控除の明細書を添付した確定申告書を、ご自身で所轄の税務署に提出します。マイナポータル連携を使うと医療費通知情報を自動入力できますが、自由診療のセラミックの治療費は、領収書をもとに入力します。

セラミックで医療費控除を受けるといくら戻りますか?

戻る金額は、所得や税率によって異なるため、一概にはいえません。控除額は「支払った医療費の合計−保険金などの補てん額−10万円(総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%)」で計算し、上限は200万円です。控除額がそのまま戻るわけではない点にご留意ください。

医療費控除の申告はいつまでできますか?

還付を受けるための申告(還付申告)は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できるとされています。申告し忘れた年の分も、この期間内であれば後から申告できます。もともと確定申告が必要な方の期限は、国税庁の案内や税務署でご確認ください。

セラミック治療には何回くらい通院が必要ですか?

一般に、型取りから装着までに複数回の通院が必要です。虫歯が深い場合や根の治療を併せて行う場合は、さらに期間がかかります。回数や期間は歯の状態や本数によって異なるため、診察のうえで見通しをご説明します。年末をまたぐかどうかも、治療計画の段階で確認しておくとよいでしょう。

自由診療について

  • 治療内容: セラミックの詰め物・被せ物による歯の修復(保険適用外)
  • 費用: 自由診療(保険適用外)。費用は治療内容・本数・素材等により異なります。標準的な費用は費用・保証についてをご確認ください。
  • 期間・回数の目安: 型取りから装着まで複数回の通院が一般的です。根の治療などを併せて行う場合は、さらに期間がかかります。必要な回数・期間は症例により異なります。
  • 主なリスク・副作用: 歯を削る必要があること、治療後にしみる症状が出ることがあること、強い力がかかるとセラミックが割れたり外れたりすることがあること
  • お問い合わせ: アクセス・診療時間/お電話 047-323-6766

新浦安でセラミック治療をご検討の方へ

医療費控除の対象になるかどうかの最終的な判断は税務署が行いますが、その前提となる「どのような状態に対する治療か」は、お口の状態を診察してはじめてわかることです。次のような方は、まずはご相談ください。

  • 詰め物・被せ物が取れた、欠けた、しみるなど、治療が必要な状態か確認したい方
  • 銀歯や古い差し歯をセラミックにしたいが、再治療が必要な状態かを知りたい方
  • 年末をまたぐかどうかなど、通院回数や治療期間の見通しを知りたい方
  • セラミックの素材や費用の考え方について説明を受けたい方

初回のご相談から治療開始までの一般的な流れは、次のとおりです。

  1. WEB予約またはお電話でご予約いただきます
  2. ご来院時に、気になっている歯やご希望をお伺いします
  3. お口の中の検査で、虫歯・歯周病・詰め物や被せ物の状態を確認します
  4. 検査結果をもとに、治療の必要性、考えられる治療方法、通院回数の目安、費用についてご説明します
  5. ご納得いただいたうえで治療を始めます

当院はJR京葉線「新浦安駅」南口より徒歩1分です。平日は19:30まで、土日も9:30〜16:30に診療しています(祝日は休診)。完全予約制のため、初診の方はWEB予約(24時間受付)をご利用ください。お口の状態を拝見し、診察のうえでご説明します。

参考文献・出典

監修:坂巻 良一(院長/医療法人社団デルタ)プロフィール

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療方針は診察のうえ個々の状態により異なります。詳しくは歯科医師にご相談ください。

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